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2002年1月1日

各  位

日本図書館研究会
理事長  塩見 昇

第43回研究大会の開催について(ご案内)


2001年度日本図書館研究会第43回研究大会を下記により開催いたします。
今大会も例年通り、第1日目に個人研究発表とグループ研究発表を行います。
第2日目には「図書館サービスと著作権」をテーマにして、 4人のパネリストの方々と共にシンポジウムを行います。
本大会に、会員はもとより、多くの方が参加されますよう期待しております。

日  時:
2002年3月10日(日)〜11日(月)

会  場:
立命館大学末川記念会館
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
TEL:075-465-8234

参 加 費:
会 員 2,000円
非会員 3,000円 (2日目のみの場合は2,000円)
学 生 1,000円
(当日、受付でお支払いください。団体会員は非会員扱いとなります)

参加申込・お問い合わせ先:
2月25日(月)までに葉書で下記宛お申し込みください。
なお、お電話でのお申し込みは受付かねます。

520-2122 大津市瀬田南大萱町1740-1
滋賀県立図書館内 國松完二宛
TEL : 077-548-9691


◇ 第43回研究大会プログラム ◇

司  会 : 寒川登・綱脇真起(研究委員)

第1日目(2002年3月10日)

9:30〜 受  付

10:00〜 開会挨拶 : 理 事長 塩見昇

個人研究発表(報告15分質疑5分)

10:10〜10:30 (1)ニコルソン・ベーカーによる図書館批判:それがわれわれに問いかけるもの
            薬師院はるみ(京都大学大学院教育学研究科)

10:30〜10:50 (2) ヤングアダルトサービスの現状と展開:2001年滋賀県全県調査の考察に基づいて
            村木美紀(大阪市立大学学術情報総合センター) 村上泰子(梅花女子 大学) 北克一(大阪市立大学学術情報総合センター)

グループ研究発表(報告25分・質疑5分)

10:50〜11:20 (1) 現職者研修と養成サイドの取り組み
            図書館学教育研究グループ(柴田正美)

11:20〜11:50 (2) 困難な条件のもとで図書館を発展させるために
           読書調査研究グループ(谷岡史絵、村林麻紀)

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11:50〜13:00     《 昼 食・休 憩 》
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13:00〜13:30 (3) 児童・YA図書館員養成試案……アメリカの児童・YA図書館員養成を例にとって……
            児童・YA図書館サービス研究グループ(中西美季)

13:30〜14:00 (4) 記述対象の分析と書誌記述:最近の議論を中心に
            整理技術研究グループ(吉田暁史)

14:00〜14:30 (5) 公立図書館と『望ましい基準』
            「マルチメディアと図書館」研究グループ (村上泰子、北克一)

14:30〜14:50       《休憩》

14:50〜15:20 (6) 日本における書誌基準実質決定システムの変遷:史的研究
              情報システム研究グループ(志保田務)

15:20〜15:50 (7) 敗戦復興期の上郷図書館
              オーラルヒストリー研究グループ(奥泉和久、小黒浩司)

15:50〜16:20 (8) 図書館ネットワークの活用と授業実践
              学校図書館研究グループ(市川直美、北村幸子)

16:20〜 ☆図書館研究奨励賞報告  選考委員会委員長 伊藤昭治
     ☆会務報告           事務局長 川崎良孝
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17:00〜19:00 ☆交流会




第2日目(2002年3月11日)

シンポジウム <図書館サービスと著作権>


10:00〜10:10 テーマ設定の趣旨            研究委員長 西村 一夫

10:10〜11:00 (1) 図書館サービスと著作権
            前園主計(日本図書館協会著作権問題委員会)

11:00〜11:50 (2) 大学図書館サービスと著作権
            土屋俊(千葉大学)
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11:50〜13:00     《 昼 食・休 憩 》
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13:00〜13:50 (3) 公貸権を考える
            前田章夫(大阪府立中之島図書館)


13:50〜14:30 (4) 電子資料と著作権
            北克一(大阪市立大学学術情報総合センター)

14:40〜16:30       討  議

【趣 旨】

最近、図書館サービスと著作権とのかかわりの中で問題となることがいくつか起こっ ている。

横浜市中央図書館では図書館施設の一部を業者に貸して、その業者が著作権法 第30条(私的使用のための複製)による「コピーサービス」を1999年4月から実施し ている。
日本複写権センターは「著作者の権利を無視する行為であり、 著作権法の制限規定の趣旨に反することが危惧される」との見解を出した。
作家林望氏は雑誌『文藝春秋』2000 年12月号で「図書館は『無料貸本屋』か」という文章を掲載し、その中で「刊行後90日 間は一切貸出をしない」で、また、複本をそろえて貸出をするならば「利用料」を徴収 すべきであると述べている。
また、日本ペンクラブは2001年6月15日に「著作者の権 利への理解を求める声明」を発表し、公立図書館に対して著作権についての理解を求め ている。

一方、大学図書館では学術資料を中心とした著作権問題があり、その取扱いを めぐって長年にわたる関係者間の協議が続けられており、ガイドラインとしてまとめる 努力がなされている。

さらに電子資料についてはその複製が迅速、容易に行なえ、さらにネットワークを通じ てあらゆる場所に流通させることが可能である。これらをはじめ、 ふるくから問題になっている障害者の利用をめぐる著作権問題などを含め、現行法で対 応しきれないことが次々とでている。

こうしたことから、法整備も含め、権利者と利用 者双方が納得できる著作権に対する考え方、方向性を打ち出さなければならない状況が より一層強まっている。

今回のシンポジウムでは、(1)著作権の考え方、著作権制度全般について前 園主計さんにお話していただきます。(2)土屋俊さんには電子図書館機能を強化しよ うとしている大学図書館が直面している問題、相互貸借やネットワーク情報資源など も含めてお話していただきます。(3)前田章夫さんには公貸権とは何か、図書館とし て考えておくべきことを、海外の状況も含めてお話していただきます。そして、 (4)北克一さんには、電子資料の著作権について現行の問題点とともに今後の方 向性を出していただきたいと考えています。

この4人の報告を通じて図書館サービスを進めるために著作権をどうとら えるのか、今後どのように考えていくべきなのかについて皆さんとともに考えてい きたいと思います。


《 お 願 い 》