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《論文抄録》
『図書館界』52巻4号 (November 2000)

司書をめぐる専門職論の再検討(1)

藥師院はるみ

図書館司書に関する諸問題は,しばしば専門性や専門職などの概念を軸にしながら展開されてきた。
本論は,この議論自体を総体的に分析する試みである。その際の着眼点は,図書館関係者が専門職という言葉で指示する対象と,いわゆる既成専門職との間には,本質的な隔たりが存在するという事実である。
これまで反復されてきた諸議論は,専門職や専門性という言葉の呪縛によって,この隔たりをまたぎ越すことができず,むしろ議論すればするほど,司書に関する問題に対して,既存の専門職概念を持ち込んでしまうことになっている。